ペルーのCTSの計算方法: 2026年完全ガイド

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ペルーのCTS(勤続年数補償金)をステップ別に計算する方法を解説。5月・11月の積立、ボーナス、部分引き出し、自由利用(フル引き出し)、実例付きで確認します。

CTSとは何か、ペルーの法的枠組み

ペルーの CTS(Compensacion por Tiempo de Servicios) は、雇用関係の間に積み立てられ、雇用終了時に使える金額として受け取れる、民間部門で義務づけられた労働保護制度です。目的は 失業保険 的な役割を持つ蓄積金です。

CTSの主な法的特徴:

  • 民間部門で働く労働者の 譲渡不能の権利 です
  • 半年ごとに労働者が選ぶ金融機関へ入金されます
  • 入金タイミングは 5月(11月〜4月分)と 11月(5月〜10月分)
  • 雇用主は、5月・11月の 最初の15日以内 に入金する義務があります
  • 入金額には 利息 が付きます

CTSの権利対象:

  • 民間部門で雇用契約(無期限または有期限)を有する労働者
  • 1日あたり最低 4時間(週20時間)以上働く労働者
  • 該当セミナー期間で 1か月以上 勤務した労働者

CTSがない労働者: 1日4時間未満、売上高の30%以上を占める立場、特別な中小企業制度の労働者。CTSは ペルーCTS計算機で確認できます。

CTS計算式: ステップで理解する

CTSは 計算対象報酬 とセミナーの 勤続月数 を使って算出します。

基本式:

CTS = (計算対象報酬 + 最後のボーナスの1/6) × 完全月数 / 12 + (計算対象報酬 + 最後のボーナスの1/6) / 12 / 30 × 日数

簡略式:

半年CTS = (月給 + 1/6のボーナス) × セミナー内の就業月数 / 12

計算対象報酬:

毎月継続的に支払われる報酬のうち、以下が含まれます。

  • 基本月給
  • 家族手当(該当する場合):RMVの10%
  • 通常の歩合(過去6か月平均)
  • 残業代(過去6か月平均)
  • 雇用主からの主食提供(現物)

含まれないもの:

  • 7月・12月の法定ボーナス
  • 利益分配
  • 通勤手当、出張、接待費等の諸手当
  • クリスマス祝儀
  • 教育ボーナス

1/6 ボーナス計算:

重要なのが最後に受け取ったボーナスの1/6です。完全な直近の7月または12月分を6で割り、基本給に加算して計算ベースにします。比例計算のボーナスならその比例額を6で割ります。

実例: 5月入金分の詳細計算

5月入金(11月〜4月セミナー)の計算を例で確認します。

条件:

  • 月給: S/ 3,500
  • 家族手当: S/ 103(2025年RMVの10%、S/ 1,025)
  • 12月ボーナス: S/ 3,603(月給 + 家族手当)
  • 対象期間: 11月〜4月の6か月勤務

ステップ1: 計算対象報酬

  • 基本月給: S/ 3,500
  • 家族手当: S/ 103
  • 報酬基準額合計: S/ 3,603

ステップ2: ボーナスの1/6

  • 12月ボーナス: S/ 3,603
  • 1/6: S/ 3,603 / 6 = S/ 600.50

ステップ3: 合計計算対象報酬

  • CTS対象報酬 = S/ 3,603 + S/ 600,50 = S/ 4,203.50

ステップ4: 半年間のCTS

  • CTS = S/ 4,203.50 × 6/12 = S/ 2,101.75

途中入社の例(2月入社):

  • 就業月数: 2月、3月、4月 = 3か月
  • CTS = S/ 4,203.50 × 3/12 = S/ 1,050.88

日数を加味する例(1月15日入社):

  • 完全月: 2月、3月、4月 = 3か月
  • 1月日数: 16日(15日〜31日)
  • CTS = (S/ 4,203.50 × 3/12) + (S/ 4,203.50 / 12 / 30 × 16)
  • CTS = S/ 1,050.88 + S/ 186.82 = S/ 1,237.70

CTS計算機で式を自動計算してください。

5月・11月入金: 期限と義務

CTSは年2回入金され、雇用主には厳密な期限があります。

5月入金(11月〜4月):

  • 対象期間: 11月1日〜4月30日
  • 最終入金日: 5月15日
  • 基準報酬: 4月の月給、12月のボーナス

11月入金(5月〜10月):

  • 対象期間: 5月1日〜10月31日
  • 最終入金日: 11月15日
  • 基準報酬: 10月の月給、7月のボーナス

雇用主の義務:

  • 労働者が指定した金融機関へ入金する
  • 入金後5営業日以内に署名付き CTS明細書を提出
  • 明細書には入金ベース報酬・勤務期間・入金額・金融機関名を記載
  • 期限超過の場合、 高金利 の延滞利息が発生

入金先の選択:

労働者は ソルまたは米ドル、金融機関(銀行・地方財務組合・金融会社)を選べます。未申告時は雇用主が許可先へ入金します。年1回は変更可能です。

未入金時:

  • 労働者は元本+法定労働利息の請求が可能
  • SUNAFIL(国立労働監督庁)へ申告
  • 罰則は企業規模と影響人数により異なります

CTSの一部引き出しと自由利用

CTSの引き出しには時期と上限があります。

一時的な自由利用(法律31480および延長):

ペルーでは近年、特例として 100%取り崩しを可能にする臨時法が複数回延長されています。有効かは都度確認が必要です。

通常ルール(自由利用なし):

6か月分の総額を超える6か月分給与分を超えた部分の 70% まで引き出せます。

  • 6か月分の給与換算を算出
  • CTS残高(入金+利息)を計算
  • 残高が6か月分を超える場合に超過分の70%を引き出し可能

例:

  • 月額総支給: S/ 4,000
  • 6か月分: S/ 24,000
  • CTS総残高: S/ 32,000
  • 超過: S/ 8,000
  • 引き出し可能額: S/ 5,600

退職時:

退職・解約・合意終了時には、100%を利息付きで取り崩せます。必要なのは、雇用終了通知(退職票)です。雇用主は48時間以内に交付します。

特例ケース: 精算、月次、特殊制度

特定の状況でCTSの計算・入金方法が変わることがあります。

期間未満分のCTS(trunca):

退職が半年入金前の場合、実働分だけのCTS(trunca)が発生します。終了後 48時間以内 に、金融機関ではなく本人へ直接支給されるのが原則です。未完了セミナー分の実働月日で同じ式を使います。

小規模事業者向け入金:

年商150〜1,700 UITの特別制度では、一般制度の半分にあたる 年間15日分 の日当が基準になります。入金自体は半年ごと。

マイクロ事業者:

年商150 UIT以下のマイクロ事業所労働者は、立法委任1086によりCTS権利がありません。

家事労働者:

法31047により、勤続年数1年ごとに 15日分の賃金、上限90日分が目安です。

司法上の差押え:

CTSが差し押さえられるのは 養育費 など法的扶養義務に限られます。退職時の労働者側債務に対する控除はあり得ます。

詳細は ペルー賞与計算機 で確認してください。

CTS計算で多いミスと回避法

雇用主・労働者共にしばしば以下のミスをします。

1. 最後のボーナスの1/6を入れ忘れる

最も多いミスです。CTS計算対象報酬には、最後に受けたボーナスの 1/6 が必須です。外すと入金額が大きく不足します。比例ボーナスなら比例額を使います。

2. 家族手当を入れない

家族手当(RMVの10%)はCTS計算対象です。漏れは頻発します。

3. 計算対象外項目を入れる

ボーナス、利益分配、条件手当、特別報酬は 対象外 です。

4. 歩合と残業の平均を取らない

継続受給の場合は、直近6か月平均を使います。直近1か月のみ使用は誤り。

5. 日数計算の誤り

CTSでは月を30日として計算します。最終入金日翌日または就業開始日から計算します。カレンダー日数で計ってしまうとズレます。

6. 入金期限を過ぎる

5月・11月期限を逸すると、金融市場の高金利で遅延損害が発生します。

不明点は CTS計算機 で雇用主計算と照合してください。

税金とCTSを有利に使うためのポイント

ペルーではCTSに固有の課税扱いがあります。

CTSの所得税:

CTSは年間で 最初の4か月分の総支給 相当まで非課税とされています。超過分にのみ所得税対象があります(5カテゴリ分離)。一時的な自由利用期間中は一括引き出しが免税扱いになる場合があります。

CTS利息:

金融機関でのCTS利息は 非課税 とされることが多く、節税的な蓄えになります。

賢い運用:

1. 通貨を選ぶ:

入金通貨はソルまたはドル。ドル高局面なら有利、ペルーソル高なら逆になります。状況に応じて IGV計算機 を使って確認。

2. 企業の金利比較:

金融機関ごとに金利差があります。地銀や金融会社は商業銀行より高いことがありますが、保証制度(FSD)は条件が異なります。

3. 非常用資金として活用:

CTSは失業時の緩衝資金です。不要な早期引き出しは避け、利息を積み上げる運用が有利。

4. 明細内容を再確認:

雇用主提出の明細は5営業日以内に到着します。基本給・家族手当・1/6ボーナス・計算期間を必ず照合し、誤りがあれば即時是正申請。

5. 転職時の取り扱い:

転職してもCTSは引き継がれ、引き出しは必要な時に行えます。100%取得には退職証明書が必要です。

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よくある質問

月給S/ 2,000の場合、CTSはいくらですか?

月給S/ 2,000、家族手当S/ 103、ボーナスS/ 2,103の場合、(S/ 2,103 + S/ 2,103/6) × 6/12 = (S/ 2,103 + S/ 350.50) × 0.5 = S/ 1,226.75 となり、5月と11月に入金されます。

2025年のCTS入金日は?

5月(15日まで)に11月〜4月分、11月(15日まで)に5月〜10月分が入金対象です。15日が祝日なら翌営業日が期限になります。

在職中のCTS引き出しは可能ですか?

法制度によります。通常は6か月分超えの70%が上限ですが、2025年時点では一時的に100%特例もありました。施行状況を必ず確認してください。

trunc a(トゥルンカ)とは?

半年入金前の退職時に、実働した月日分だけ支給されるCTSを指します。半期未完了分を同一式で按分計算します。雇用主は48時間以内に直接支払う必要があります。

ボーナスはCTS計算に入りますか?

はい。ただし全額ではなく、最後のボーナスの <strong>1/6</strong> のみです。例えば3,000の場合は500(3,000/6)を加えて半期計算します。

CTSに所得税はかかりますか?

年間最初の4か月分の総支給分まで非課税で、超過分が課税対象です。CTS利息は通常非課税ですが、自由利用の特例時は制度上の免税条件を確認してください。